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おそらのうえで。

おそらのうえで。

*聞いていい?*



 「ねぇ・・・聞いてもいい?」

   放課後の図書室。

  君はひょっこり現れて

   僕に向かって
   
     そう問い掛けた。

 
 *聞いていい?*

 
 「ねぇ・・・聞いてもいい?」

 
 君の問い掛けに

 
 「どうぞ」


 僕はゆっくり頷いた。

 
 「君はココで何してるの?」

 
 ・・・そんなこと

 聞かれるとは思ってなかったな。



 「何って・・・」


 放課後の図書室。

 僕はただ

 今日は図書委員の居残りで

 
 「本の・・・整理だけど・・」


 返された本を

 番号を並べながら本棚になおすって
 
 なんだかもう

 きくだけでも面倒に思える作業中。


 僕の返答に

 君はクスッと笑って

 椅子に座って

 話を続けたんだ。


 「聞いていい?」


 「何?」


 僕はそんな君を横目に

 作業を進めた。

 
 「今日、部活は行かないの?」


 「今日は部活休み」


 「へぇ・・・そうなんだ」


 君はそう言って

 グランドの方を眺めてた。


 「ねぇ、聞いていい?」


 「どうぞ」


 「君は妹さんとかいるの?」


 「いるよ。妹が一人」

 
 「へぇ~・・・かわいいんだろうな」


 君はそう言って

 にっこり微笑んだ。


 「もっと聞いていい?」


 「次は何?」


 「次はねぇ・・・」
 


 途切れることなく続く

 君からの質問。

 とりとめのない質問に

 何が隠されてるのか

 疑問を感じながらも

 独りで黙々と作業を続けるよかは

 楽しくて

 気が付けば

 山のように積んであった

 片付けなきゃいけない本は

 もうあと残りわずか。


 別に君は

 本を読むわけでもなく

 ただそこに座って

 僕に質問を続けたんだ。


  
 「さって、いろいろ聞いてごめんね。
   もう・・・帰るや、ばいばい」


 そういって

 君が席を立ったとき

 不思議と君を

 呼び止めたいと

 思ってしまったんだ。 
 
 
 君と僕。

 同じクラスだけど

 こんだけ話したのは

 初めてだよね。


 「ねぇ、最後にひとつ・・・いい?」


 図書室から出ていったと

 思ってた君が

 ひょこっとドアから

 顔を覗かせて
 
 言ったんだ。


 「今度はなに」

 
 ドアからのぞかせた

 君の顔が

 なんだか小さな子供みたいで

 僕はクスッと笑って

 問い返した。
 

 「君をスキになってもイイですか?」

 
 びっくりして

 目をぱちくりさせる僕に

 君ははっと気付いて

 言い直したんだ。

 
 「違った。
  君がスキなんだけど・・・いい?」


 なんだかなぁ。
 
 突然の君の告白。

 別に今まで

 君を意識したことなんて

 これっぽっちもなかったけど

 僕、君のこと

 すきになりそうな予感すんだよね。



 手に持ってた本を

 さっさと片付けて

 僕は君の目の前に立って

 言ったんだ。


 「俺からも聞いていい?」


 なんだか少しびくびくしながら

 君は頷いた。


 「俺ってすっごいヤキモチ妬きで
   淋しがり屋なんだけど
  ・・・スキになってもいい?」


 僕の質問に

 君は大きく

 頷いたんだ。






 

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bbs

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